「酉」は、説文では「八月黍(きび)成り、酎酒を為(つく)る可く、古文、酉の形に象るなり」とあります。
和風月名では、葉月(はづき)。
木の葉が落ちる月、「葉落ち月」が訛ったもの。また、稲穂の「発月(はりづき)」の意から来たとされる説もあります。
《江戸こよみ 八月》
8月 1日天正18年(1590)徳川家康、江戸城に入る。
8月 2日寛永16年(1639)新銭売買の定め、一季居奉公人、人身売買の禁の高札をたてる。
8月 3日天正18年(1590)豪雨が降り、浅草千束池・不忍池があふれる。
8月 4日宝永 3年(1706)奢侈を禁じるため、市中の屋形船が100艘に制限される。
8月 5日天保13年 (1842)銭相場*下落のため、1両=6貫500文に公定する。
8月 6日万治 3年(1660)江戸周辺農村、伝馬町への役馬増加を命ぜられる。
8月 7日享保 5年(1720)町火消し組合が改正、「いろは」48組となり纏幟の制度が設けられる。
8月 8日正保 2年 (1645) 外郭および府内各所に辻番所を創置。
8月 9日明和 8年(1771)日本橋薬研堀の埋め立てが完成して町奉行支配となり、市街が開かれる。
8月10日享保 8年 (1723) 大暴風雨により本所・深川・浅草・王子などで出水。
8月11日寛永16年(1639)江戸城江戸城二の丸・天守閣を除き全焼。
8月12日宝暦 2年(1752)本所の船主131名、自費での堅川浚いを出願して許可される。
8月13日寛永16年(1639)丸橋忠弥、品川にて磔刑。
8月14日享保 8年(1723)火の見櫓の設置が義務づけられる。
8月15日慶応 3年 (1867) 楮幣(ちょへい)*が発行され、通用が開始される。 8月16日享保 4年(1719)奉公人の請人の責任を軽減さる。
8月17日元禄14年(1701)暴風雨が発生し、芝増上寺などに被害がでる。
8月18日天正18年(1590)船入堀・橋の普請が始められる。
8月19日文化 4年(1807)深川富岡八幡宮祭礼の人出で永代橋が崩落、1730余人が死亡。
8月20日元和 8年 (1622) 訴訟・商業・結党・質物・火災・浪人・天主教・寺院などについての諸禁止令出る
8月21日寛永16年(1639)職人の賃銀が定められる。
8月22日寛永 7年(1630)山王権現社造営落成。
8月23日元文 元年(1736)永代橋維持のため、10年間の往来銭徴収が許可される。 8月24日天明 4年(1784)大阪二十四組江戸積問屋の株が、許可される。
8月25日慶長15年(1610)幕府の許可を受けて、琉球を征討した島津家久が琉球王尚寧を連れて江戸に入る。
8月26日文久 3年 (1863) 諸侯旗下80余人に、非常警備として江戸内外の警備が命じられる。
8月27日寛永 2年(1625)武家の一季居奉公人の年季を10年とし、人身売買の禁、請負人なき借屋、辻立門立など禁止。
8月28日嘉永 6年(1853)江川太郎左衛門が、内海御台場建設と大筒鋳造を命じられる。
8月29日寛文11年(1671)隅田川前夜より大風雨により隅田川が出水、本所の住民が官船で救助される。
8月30日元文 元年(1736)地代・店賃支払い訴訟の受け付けが停止される。
*銭相場
嘉永2年(1849)12月公定相場廃止。12月25日の相場、1両=6貫32文【嘉永期銭不足】
*楮幣(ちょへい)
楮(こうぞ)の繊維で作られた額面1両紙幣。
幕府が財政難を乗り越えるため金や銀の代わりに発行。
是月(この月)--------
8月-安政3年(1856)浅草寺奥山に80数種の大輪の菊の見世物がでる。
8月-文化3年(1806)菓子店水口屋(現「港屋」)が、日本橋小田原町に開店。
8月-天明2年(1782)千川上水が竣工、表間口に応じて水銀が徴収される。)
8月-貞享元年(1684)勧進相撲の許可が寺社奉行より下り、富岡八幡宮境内で興行。
8月-延宝元年(1673)三越の祖、三井高利が伊勢松坂より日本橋本町で呉服商を始める。
8月-明暦3年(1657)浅草千束に吉原町ができる(新吉原)
《八月関連コラム》
【新着コラム】
〇江戸ことば 月ごよみ
・『江戸の馬いろいろ』
http://www.edoshitamachi.com/modules/tinyd11/index.php?id=9
〇神田川界隈物語
・『榊原家の菩提寺「本立寺」に眠る 名妓·高尾大夫』
http://www.edoshitamachi.com/modules/tinyd6/index.php?id=50
【家康関東討ち入り】
〇8月1日天正18年(1590)徳川家康、江戸城に入る。
・武蔵の国 江戸物語 『戦いに備えた江戸の最初のインフラ』
http://www.edoshitamachi.com/web/suitoedo/PDFNo30.pdf
【いろは48組】
〇8月7日享保5年(1720)町火消し組合が改正、「いろは」48組となり、纏幟の制度が設けられる。
・江戸十万日 月日の鼠 『偉大ではないが、しぶとく消極的であることがもつ価値』
http://www.edoshitamachi.com/web/fuyugaki/2019/12/
【永代橋崩落】
〇8月19日文化4年(1807)深川富岡八幡宮祭礼の人出で永代橋が崩れ落ち、730余人が死亡。
・武蔵の国 江戸物語 『永代橋にみる民間活力導入の惨劇』
http://www.edoshitamachi.com/web/suitoedo/PDFNo46.pdf
《八月会員・会友情報》------
●NPO「江戸ソバリエ協会」2024年8月24日(土)
第19期(令和6年度)江戸ソバリエ認定講座開講
https://www.edosobalier-kyokai.jp/pdf/annai2024.pdf
●(一社)監査懇話 江戸文化研究会 2024年9月29日(日)
柳家小春 コンサート&お稽古 「江戸のひと節」演奏&指導
https://kansakonwakai.com/wp/wp-content/uploads/edo-katsudou-202408-keikaku-ippan.pdf
《八月主な催事》> http://www.edoshitamachi.com/modules/piCal/
参考文献 ・武江年表(東洋文庫) ・東都歳時記(東洋文庫) ・東京市史稿(東京都) ・江戸町人の研究(吉川弘文館) ・江戸東京年表(小学館)ほか
江戸東京下町文化研究会