「四月陽気、巳(すで)に出、陰気巳に蔵(かく)れ、 万物見(あらわ)れ文章を成す」と説文にあり。 (説文:西暦100年ごろに成った中国最古の部首別漢字字典) 和風月名では、卯月(うづき/旧暦四月の異称) 「卯の花月」の略が定説(諸説有)。
《四月 江戸こよみ暦日》
・4月1日寛保2年 (1742)公事方御定書が制定される。(司法・警察法規)
・4月2日享保8年 (1723)献上紋服公儀呉服師に注文制。
・4月3日享保4年 (1719)本所奉行が廃止され、本所上水が勘定奉行の所管となる。
・4月4日安永4年 (1775)浅草寺日音院内で富突同様の籤取疱瘡守札を頒布した者が江戸払いとす。
・4月5日明暦3年 (1657)江戸復興に際し、道路幅拡大*1のため家屋の庇切りを行う。
・4月6日享保10年 (1725)江戸薬種問屋24軒に新規加入を認め25軒とす。
・4月7日享保7年 (1722)町費増加及び名主の気まぐれを防ぐため、新たな名主の設置を禁止。
・4月8日慶応2年 (1866)天保2年朱金停止令。【江戸の貨幣】
・4月9日万治2年 (1659)鑑札を必要とする商売が定められる。【万治札(まんじふだ)】
・4月10日万延元年(1860)新小判、新一分判、新二分判などを鋳造する【万延金(まんえんきん)】
・4月11日弘化2年(1845)芸人名弘会・発句会及び縁日商人の高値販売取締の達出る。
・4月12日延宝3年(1675)米価高騰で市中困窮し、月行事御役人足を務める町々に拝借米が許される。
・4月13日寛文12年(1672)毎月2日に町年寄へ呉服・材木など14品の時価書き出しを命じる。
・4月14日享保9年 (1724) 本所猿江御材木蔵跡入堀を埋め立てで、深川永代築地へのごみ投棄を禁止す。
・4月15日寛政3年(1791)町法改正及7分積金を命ぜらる。
・4月16日天保14年(1843)旗本・御家人への馬喰町貸付金(貸付役所)の半額が破棄、半額が無利子になる。
・4月17日元和2年 (1616) 徳川家康(75)、駿府城で没し、19日久能山に埋葬される。
・4月18日嘉永2年 (1849) 葛飾北斎浅草聖天町遍照院に没す。90歳辞世『悲と魂でゆく気散じや夏の原』
・4月19日宝暦2年(1752)上野新黒門町牡丹屋太右衛門に、吉野・熊野産の和人参販売が許可される。
・4月20日享保5年(1720)町屋の土蔵造り塗屋瓦屋根奨励
・4月21日享保8年(1723)八品商*2の組合設置され、紛失物の捜査が命じられる。
・4月22日天保9年(1838)農商人の櫛簪その他に金銀を用いることが禁ぜらる。
・4月23日享保13年(1728)下金買屑金吹に組合を作らせ、未加入で商売、不正に購入をする者を取締る。
・4月24日慶応4年(1868)新政府、江戸金銀銅座を接収する。
・4月25日天保7年(1836)御府内の食類商人を、文化元子年中改軒数6165軒之内60軒を5年間にへらす。
・4月26日享保14年(1729)判じ物などで金銭をとる願人坊主が取り締まりを受ける。【願人坊主】
・4月27日享保9年(1724)灯油を高価に商売せしため水油屋、同仕入仲間、過料を命じられる。
・4月28日延享元年(1744)建築条規を示達せらる。
・4月29日享保6年(1721)倹約のため諸社の祭礼練物を質素にし、屋台等を無用とすべしと命じられる。
・4月30日天保3年(1832)鼠小僧次郎吉逮捕さる。
《四月 是月(このつき)》
・4月-この月 承応3年(1654)玉川上水が、虎の門まで到着し、6月に完成する。【玉川上水】
・4月-この月 宝永7年(1710)諸職人の内、受領名を武蔵守と唱うることを禁じられる。
・4月-この月 正徳元年(1711)市中の塵芥を指定の永代浦に運ばず、諸所堀川へ投棄するのを厳禁す。
・4月-この月 享保3年(1718)出替りの奉公人は早々主家を定むべき旨命せらる。
・4月-この月 享保4年(1719)路地屋根葦禁止。 ・4月-この月 享保6年(1721)大奥女中衣服華美禁止。
・4月-この月 安永3年(1774)両国に放屁男の見世物出る。【江戸の見世物】
・4月-この月 天明4年(1784)米穀払底につき幕府細民に米穀を廉価す。
・4月-この月 寛永4年(1851)この月、浅草寺奥山に鯨の見世物出る。【江戸の見世物】
・4月-この月 万延元年(1860)この月、浅草寺奥山に虎の作り物の見世物出る。【江戸の見世物】
*1>道路幅拡大>日本橋通町:田舎間10間/本町通:京間7間/他の主要路は5~6間とする。
*2>八品商(はっぴんあきない)>質屋・古着屋・古着買・古道具屋・古鉄屋・古鉄買・唐物屋。
《四月関連情報》---------
【江戸こよみ】>灌仏会(かんぶつえ)・仏生会(ぶつしょうえ)・花祭り
・4月8日はお釈迦様の誕生を祝う 「灌仏会(かんぶつえ)」
>江戸から今に伝わる伝統芸能「大道芸」
http://www.edoshitamachi.com/web/daidougei/
【江戸の生業(なりわい)】>万治札(まんじふだ)
・4月9日万治2年 (1659)鑑札を必要とする商売が定められる。
>これまで商っていた振売に鑑札を与え、税を取ることを命じる。
http://www.edoshitamachi.com/modules/news/article.php?storyid=414
【江戸の生業(なりわい)】>願人坊主(がんにんぼうず)
・4月26日享保14年(1729)判じ物などで金銭をとる願人坊主が取り締まりを受ける。
>当初は代願人として、水垢離などを代理でしていたといわれる。
http://www.edoshitamachi.com/modules/news/article.php?storyid=412
【江戸の見世物】>らくだの見せ物
・ 寛永4年(1851)4月、浅草寺奥山に鯨の見世物出る。
>江戸言葉 月ごよみ「らくだの見世物と落語」
http://www.edoshitamachi.com/modules/tinyd11/
《四月会員・会友情報》----------
〇写真家・永島浩二を偲ぶ「としま今昔」
・令和7年(2025)4月6日(日)~4月17日(木)
主催/NPO法人「としまの記憶」をつなぐ
>https://toshima-kioku.jp/pdf/toshima-konjaku.pdf
〇講演会 「江戸の人々と動物たちの暮らし~共生のストーリー~」
主催/江戸文化研究会 講師/小川周子氏(東京都江戸東京博物館学芸員)
・令和7年(2025)5月17日(土)/文京総合福祉センター 江戸川橋 4階
>https://kansakonwakai.com/wp/wp-content/uploads/edo-katsudou-20250401-keikaku-ippan.pdf
〇語りとピアノでけやき会 【もの語りの世界】
出演:深野弘子・薗田潤子・小磯一斉(ゲスト)
・令和7年(2025)5月26日(月)/ティアラこうとう 小ホール
> http://keyaki.jpn.com/index.html
《四月主な厳選催事》 --- http://www.edoshitamachi.com/modules/piCal/
参考文献 》 武江年表(東洋文庫)・東都歳時記(東洋文庫)・東京市史稿(東京都)・ 江戸町人の研究(吉川弘文館)・江戸東京年表(小学館)など
江戸東京下町文化研究会