◎風景画家広重は蕎麦通から見ると特質すべき点がある。
それが「蕎麦屋三景」である。
�機嵎歸撻�谷宿」では宿場蕎麦屋、�供峺廚量膤阿△佞匣筺廚任浪安罎龍焦�屋、�掘崙�本橋通一丁目略図」では高級蕎麦屋「東橋庵」を描いている。
今でもドライブインの蕎麦屋、街の立喰蕎麦屋、高級蕎麦屋と多様な蕎麦屋があるが、広重が活躍した江戸末期もそうだったことが絵によって記録されている。一人の画家による三景だけに興味深いものがあるといえよう。
☆「保土ヶ谷宿」(『東海道五十三次』) ― 宿場蕎麦屋(帷子橋の向う側)
現在「相鉄線天王町駅前の復玄した帷子橋」
☆「虎の門外あふひ坂」(『名所江戸百景』) ― 屋台の蕎麦屋(葵坂)
現在「虎ノ門 特許庁前交差点」
☆「日本橋通一丁目略図」(『名所江戸百景』) ― 高級蕎麦屋「東橋庵」(白木屋の隣)
現在「コレド日本橋」
☆広重住居跡 (中央区京橋1-9)
広重は毎日、この家から江戸市中に出かけ、『江戸百』を描いたのだろう。
〔完〕
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前のページ 第五巻 広重､葵坂で蕎麦を啜る |
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