旧幕臣旗本竹本要斎が興した 「竹本焼」 についてふれてきた。
要斎の息子の隼太に継がれたも のの明治25年に4歳で病没。その後、長男の皐一が三代目を継 いでいくのである。明治38年パ リ万国博覧会に胴張赤無地花 瓶を出品し金牌を受けるなど、皐一は、父・隼太の仕事を踏襲 していく一方で、明治40年には 当時需要の高まっていた碍子に 注目する。明治41年には、工場を高田村大字高田豊川から 大字雑司ヶ谷の鬼子母神参道脇に移転し「竹本園」と称し、 経営強化も鑑み、主力製品を 碍子類に絞る。当時、陶磁器業界各社にとって食器と異なり外観品質を問われない碍子は生産が容易であり、重要な収益 源であった。しかし、そんな中、大正4年、皐一は工場の経営権 を山下熊太郎氏に売却する。 昭和9年、遂に廃業となり、ここで竹本焼の流れをくむ焼き物 は終焉を迎えることとなる。
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